2020年8月2日日曜日

コロナ禍でのzoom講義(その2)

おかげさまで前期の授業、それも未曾有の「オンライン講義」は終了した。
昨日のブログでは書き足りず(?!)、様々なチャレンジのあれこれを記録しておきたい。

1.ある程度の設備投資は必要

オンライン授業にあたり、買い足した大物は iPad である。7、8年ほど前のマシンは不自由なかったが、UDトークをインストールできず、やむなく買い替えた。これは「エア」で、キーボードを付けた。
その他、イヤホン(EarPods)。おまけ機能?のマイクは、なかなか性能がよい。
スマホ用の三脚がほしくなり、メカに詳しい娘と同じものを注文。3,000円程度で優秀☆ 「スマホスタンド」と言い、自撮り棒にもなる(笑)
今年に入って自宅のプリンタが壊れ、後継機種の Canon のインクジェットがどうやら人気機種で一ヶ月後にようやく届いた。結果的にタイミングは良かった。
小道具では、「注意!」「ポイント☆」などの提示用の小さなフリップは役だった。まさにアナログであるが、娘に作ってもらったため高く付いた(笑)

2.PC関係はMac系で統一すると楽

結局、Macを愛用している。アクセサリーも統一すると、選択や操作で複雑に悩まず済む。プライベートの iPhone も、zoom や Teams での会議、UDトークで活躍した。
4年ほど前、ノートPC(MacBook)購入で迷った。軽さか、ある程度のスペックか。文系なので容量の大きな動画や分析ソフトの類いは使わない(使えない?)し、コストは抑えたい。しかしその時、剛健なメカがほしくなり ‘Pro’ にした。自宅で「リモート」中の現在、当時の選択は正しかったと強く思う。
結局、デスクトップPC は無い。昨年秋に購入した自宅の WindowsPC(Dell製)は、二ヶ月で壊れた。立ち上げるたびに Teams が現れ、重いので、無理にデリートしたのが原因と思われる。処分したいが、コロナ禍の喧噪でそのままになっている。
研究室の HP製ノートPC は、購入直後にバッテリーを交換したのに、2年後に動かなくなった。Windows マシンは、トラウマになりそうだ。

3.zoom の世界観を理解する

zoom講義の出席率は抜群に良く、95名登録で90名ちょっとで、どの授業も最終回はほぼ全員だった。zoom講義中にアンケートをするので、学生は、出席せねば!と思ったかもしれない。しかし(学生には再三アナウンスしたが)、他のアンケート提出をもって「出席」をカウントする。そちらを出さずに zoom講義のアンケートだけ提出する学生が一定数いて、困った(結局、加算した)。また、zoom講義後に、参加できませんでした、どうしたらよいですか、という切迫したメールが届き、そのやり取りに時間がかかった。
zoom講義は、授業内容としては補足や、発展的な内容を扱うという位置づけで、メインの授業内容は、レジュメの他、zoom「一人ミーティング」動画を用意した。同じ回の動画と zoom講義は、できるだけ同じ服装にした。ダークな服装が私は落ち着くが、娘のアドバイスで、それなりの「zoom映え」を目指した(笑)
授業ではないが、zoomでの打合せで、あまり愉快では無い体験をした。今年の後期のオムニバス授業は、面識のない非常勤の先生と一緒に担当することになった。メールでやり取りした上で、学内・対面での打合せを所望されたが、スケジュール上、物理的に無理だったので、zoomでの打合せをお願いした。
zoomの設定を行いたいとのことだったのでお任せし、打合せを始めた。シラバスや参考資料を提示したかったのだが、既に届いていて印刷したので、画面共有しないでください、と言われ、画面に二人だけ映っている状態であった。不意にレコーディングも始まった。30分弱であったが、zoomで初めて「もやもや」した。虫の知らせで、「がち」に映るPCでなく、iPad でバーチャル背景を使ったので、そうした気分を少しはガードできたように思う。
ふと、学生との面談を思う。レコーディングはしないし、資料を提示して画面に映る姿は小さめにして、話し方も工夫したつもりだ。しかし、学生は圧迫感を受けていなかったか。同性であることへの甘えはなかったか。これはいつか学生に聞いてみたいが・・・。

4.前期「オンライン授業」を終えて

コロナ禍で、にわかユーザーとなった zoom。オンラインでの学内での講習があり、SNS などで他の先生方の zoom の実践例を参考にしたりした。前期の授業を終え、反省とともに、一定の手応えを得た。後期の授業の行方はまだ決まらないが、「対面」で、参加できない学生のための録画がマストとなった場合、教室で授業をしながら zoom やスカイプで遠隔はできるか、UDトークはどう設定したらよいか、がとても気になる。
学生の「気持ち」も気になる。授業のアンケートは、大学でお目にかかりたいです、対面授業が楽しみです!というコメントが多い。一方で、アンケートやメールで、コロナが怖い、大学や実習に行きたくない、という訴えが増え、私もどうしたらよいか分からない。
zoomに限らず、この後期の授業をどうするか。前期の余韻が残る今、同僚や友人と情報交換を行いたいのだが、これも「オンライン」となる。400人分の採点もしなくては!

2020年8月1日土曜日

コロナ禍でのzoom講義

未曾有のコロナ禍で、前期はすべて「オンライン授業」となった。
挑戦に次ぐ挑戦となったが、特に zoom 講義は、学生に予想以上に好評であった。思いがけず出会った zoom は、授業方法の幅を確実に広げてくれた。一方で、深い海を泳いできたような、何とも言えない疲労感がたまっている。
前期の授業が終わった今、備忘録として書き留めておきたい。

1.「海に向かって話す」感覚

講義の受講者はだいたい100人単位なので、zoom講義では通信容量をセーブするため、音声はオフ(ミュート)、ビデオもオフとした。そうすると、名前だけ表示された無数の、整然と並んだアイコンに向かって語りかけることとなる。それも自宅の居間から、ノートPCの画面に向かって、一人で。
画面は一度に20名くらいずつしか映らず、スクロールしてもアイコン、アイコンの海。その「海」に向かって、はっきり聞こえるよう声を張った。

2.スローモーションのSF感

少人数の授業やゼミ、実習指導の一環の面談では、ビデオや音声をオンにする。対面授業に近いとは言え、学生宅の居間や部屋などのプライベートな空間が見えていたりするので、不思議な感覚である。バーチャル背景を設定すると通信の容量が飛んでしまう、という事情があるらしい。
そして、話し始めると画面がフリーズしてしまう学生が時々いる。スローモーションで、表情がゆっくり動いていく。まるで、SF映画を見ているような感覚だ。

3.オンライン授業の構成

zoom講義に情報環境のトラブルでうまく入れない学生以上に、自宅で Word、Excelやプリンターが使えず、「スマホ」だけの学生がかなりいることも分かった。
コンテンツの構成や授業方法を固めていくにあたり、「何で参加しているか」「問題があるか」を聞くアンケートの他、3年生対象の中盤のzoom講義で、「効果的な授業方法」を話し合うグループワークは、大いに参考になった。「バズ学習」などの授業方法を学ぶ教職課程の学生なので、具体的なアイデアが豊富だった。1年向けに respon などの説明資料を作ってくれた学生もいた。この資料は他の学年にも好評で、やはり学生=当事者の視点は大切であることを実感した。
今、ベストと思われる講義の構成はこのようなものだ。
  1. レジュメ・・・毎回、授業支援システム(manaba)にテキストべた打ちとPDF版をアップロードする。べた打ちやPDF版は、スマホだけの学生が閲覧しやすく、テキストデータをルーズリーフに印刷する(!)といった活用もしやすい。
  2. 解説・・・毎回 manaba に、レジュメを解説したスライドのPDF版(A4に4枚のレイアウト)と、スライドを解説する動画のストリーミング配信のURLをアップロードする。動画は、zoomで「一人ミーティング」をして録画。右上に私の画像が写り、ひたすら話している(笑)。この動画版は、20分を上限とする。
  3. zoom講義・・・1年対象の「教職論」は毎回、専門性の高い3年生の授業は隔週で行う。これも上限を20分としたが、時間超過となった回もある。「教職論」は、解説の補足説明の他、「30秒自己紹介」や「先輩の話を聞く」、「地域の連携(先輩による教育系NPOの紹介)」なども行う。zoomの「ブレイクアウトルーム」機能でグループに分かれる場合は、3、4名がベストかも(?)
  4. アンケート・・・毎回の授業の解説と、zoom講義に対し、出席を兼ねてアンケートを実施した。respon というアプリを使い、特にzoom講義では終盤に開始し、その回答内容を「画面共有」で写し、特徴的な意見や質問にコメントした。
  5. テストとレポート・・・セットで2回、実施した。Word 文書は作成できない、という学生が少なくなく、オンラインで書き込む形式とした。学生にはポートフォリオとして蓄積でき、私にとっては Excel 文書でまとめられるメリットは大きい。manaba で授業日に公開し、テスト(穴埋めと用語解説)は翌日、レポート(2題で合わせて1,000字程度)は翌々日を締切とした。1回目は「23:30」締切としたところ、夜中に「提出できなかった」と悲痛なメールが届いたりしたため、2回目は「19:00」締切とした。

4.「対面」の大切さ

「オンライン授業」について、学生のアンケート(コメント)では、解説の動画版が「繰り返し見られる」、「音楽のように聞ける」などと思いの外、有益だったようだ。それから、スライドの右肩の小さな私が話しているのも意外に好評で、「ポイントが分かりやすい」というコメントの他、「人がいることで安心できる」「親しみやすい」といったコメントをもらった。画面越しではなるが、「対面」の大切さを痛感した。
zoom講義では、発言、質問がある場合はミュートを外し、できればビデオをオンにするルールとした。自ら発言する学生はわずかで、指名すると確実に明るい声で答えてくれる。数名が私とやり取りするのが、「他の学生の意見が聞けた」「対面授業みたい」などと好評で、本人からは「指されてうれしかったです!」というコメントも。
ゼミ生やNPOに参加する3、4年生には、1年生対象の授業で話してもらった。グループワークに入ってもらった回もある。「先輩の話が聞けた」「質問できた」「かわいかった(!)」と好評で、学生どうしのコミュニケーションは不可欠と感じた。
毎回のzoom講義では無謀にも、最後にミュートを外してもらい、全員で「ありがとうございました」と挨拶した。ハウリングしたり、学生のお茶の間?のTVの音や家族の声が聞こえたりするが、挨拶して、手を振る。学生の声が聞こえてくるのは毎回、感慨深いものがある。
最終回では、さらにビデオもオンにしてもらった。「ありがとうございました−」「元気で−」「きゃ−(?)」などの声が長くこだまして、笑顔の学生に会うことができた。

5.様々なコミュニケーション手段

授業用コンテンツがメインだとして、それを支える「サブ」のコミュニケーション手段にも、様々な発見があった。

(1)zoomの字幕機能・音声認識ソフト「UDトーク」

聴覚障害や難聴の傾向がある学生がいて、他の学生にも私の滑舌が心配であり(笑)、zoom講義では UDトークを入れた iPad に語りかけた(PCにインストールできない)。
使えるかも、と教えてくれた聴覚障害のある友人に感謝している。数年前に「UDトーク」の実践報告を聞いた時はあまりいい感触をもたず、半信半疑であったが、精度がかなりよくなっていて、何よりも zoom に連動しているのが素晴らしい。実際に字幕は、様々な状況の学生に好評であった。字幕を使うと画面が固まる、という指摘もあったが・・・。

(2)Microsoft の Stream のトランスクリプト機能

解説用の動画とzoom講義の録画は、学内の動画配信サービスの Stream にアップロードすると、自動で音声認識して字幕を付けてくれる。「あー」などの口癖を反省せざるを得ないほど(笑)かなり精度が高い翻訳で、修正も可能である。アップロードと修正のスピードがゆっくりなのは、ファイルのボリュームが大きいためだろうか?
字幕はテキスト文書として書き出せるので、特にzoom講義を文字起こしして記録できるメリットもある。

(3)zoom講義の裏番組的(?)SNS

zoom の「チャット」機能は便利であった。「聞こえなくなりました」などの個別の連絡の他、学生どうしでやり取りしている様子も見られた。
それから LINE や Twitter。これはまったく私の管轄外で、どんなやり取りが交わされているか見てみたい(笑)。学生は zoom に参加しながら SNS も併用する場合があり、それが良い方向に向かえばグループワークも円滑になるようだ。もちろん、裏サイト化や仲間外しには注意する必要があるが、「今しらべたら、こんな感じです!」と地域ごとの実践例を次々と数名が伝えてきた時は、良い意味で鳥肌が立った。

・・・何だか長くなったが、以上が、前期の「オンライン授業」の所感である。
コロナウィルスの猛威は、いつまで続くのだろう。7月27日に、文科省より全大学宛てに、フィジカルな「対面授業」を促す事務連絡があったばかりだが、どのような形態であれ、学生が大学で学ぶことを楽しめる授業を目指したい。