2016年2月7日日曜日

学校給食は"親の愛情"のバロメーターではない

大西史晃「ハマ弁、一部に無償提供へ:生徒支援「線引き」課題」『朝日新聞(神奈川)』2016年2月4日 を読む


神奈川県に引っ越して驚いたのは公立中の給食が「当たり前」で無いこと。直近の調査で県内の中学校の完全給食実施率は24.4%。全国では87.5%、「ブービー」は兵庫県55.6%で、断トツの最下位。ミルク給食39.1%のおかげで給食実施率63.5%(全国93.7%)であるが、他県で「ミルク給食って何?」と聞かれそうだ。
「家庭弁当」という言葉も初耳だった。対義語は「買い弁」らしい。中学生のお弁当は家庭=親の手作りというのが、神奈川県民の常識なのかも知れない。なので、2016年度より横浜市で予約制の業者弁当、曰く「横浜型配達弁当」=「ハマ弁」が導入されることは一大事件なのだ。
新聞記事は、「昼食の確保が困難な生徒」に「ハマ弁」が無償提供される快挙とともに、「線引き」の課題を述べる。横浜市教委の説明のとおり「個に応じた食」である家庭弁当が基本なのだから。しかし、学校給食のある他市で給食費が援助されたはずの世帯が「家庭弁当が用意できず申し訳ありません」と切々と理由を訴えて恩恵が受けられるというなら不公平感云々という話で無く、義務教育課程としての配慮が問われよう。
もっとも分校含め148校の公立中を擁し、家庭弁当主義(?)最先鋒の横浜市と、県内他市では温度差がある。朝日新聞神奈川版の昨年4月8日の記事は秀逸で、小田原市は1962年、大和市は1973年、三浦市は1980年に中学給食を導入し、古参の相模原市は2010年に選択制のデリバリー給食に切り替え、川崎市では新市長誕生で家庭弁当主義から転向(!)して2017年度までの完全給食実施に動いたことが紹介されていた。JAXAのある相模原市の「星形メンチカツ」や小田原市の「おでん」等、工夫を凝らしたご当地メニューの写真も。
201411月から藤沢市でもデリバリー方式が施行され、数年先には神奈川の中学給食も「常識」になりそうだ。勤務先では弁当持参の学生が目立つ。多くは母親が作るそうで、彩り豊かでプロの域。家族に心底感謝するよう、学生には伝えている。

*参考




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